【鳥居一豊の「良作×良品」】「ミッション・インポッシブル」の鋭い動きを新BRAVIAで -AV Watch
今回取り上げる良品は「ミッション・インポッシブル ゴースト・プロトコル」。発売日は、ゴールデンウィーク直前の4月27日だが、今回は発売元のパラマウント ジャパンにお願いし、サンプル版をお借りして取材を行なうことにした。ぜひ、参考にしていただき、連休中に存分に楽しんでいただければ幸いだ。
トム・クルーズの主演による「ミッション・インポッシブル」シリーズは、本作で4作目となる。監督は毎回変わるスタイルで、本作では実写映画は初となるブラッド・バードがメガホンを取る。彼は、私も大好きな海外製ロボット・アニメの傑作「アイアン・ジャイアント」でデビューし、「Mr.インクレディブル」、「レミーのおいしいレストラン」とCGアニメ作品の監督として知られる。
基本的に前情報を入れずに映画を見る主義のため、劇場で見たときはまったく気付かなかったが、それらの情報を念頭に、改めてBDで見直すと、点火された導火線の映像に作品のハイライトシーンを重ねた贅沢なオープニング映像をはじめ、自由奔放な映像設計が多用されている理由もうなづける。
■ 液晶テレビの(かつての)弱点、動画応答性はついにここまで進化した
僕は自宅でもプラズマテレビを使っているし、「映画はプラズマ」と今でも思っている。とはいえ、世間は液晶テレビが一般的になっているし、よく言われるコントラスト比についても、最新の液晶テレビはかなり進化しており、プラズマと同等の実力を備えるモデルも増えてきている。もはや、コントラストや階調性、色再現などについては好みによる違いこそあれ、性能的に劣ることはない。
それでも、まだまだ今ひとつだと感じていたのが動画応答性だ。今や液晶テレビでも残像感を感じることはほとんどないし、動画補間技術によって2倍速や4倍速で表示するのが当たり前になってくると、速い動きのぼやけ感なども解消され、実用上不満のないレベルとなっているのは確か。しかし、個人的には動画補間された映像がどうも苦手だ。特に映画のような24コマの映像を動画補間してしまうと、滑らかすぎて不自然というか映画らしい映像の雰囲気まで失われてしまったように感じる。映像コンテンツで映画をみる頻度が多い僕にとって、この問題はかなり深刻だ。
ところが、点滅の応答速度が速いLEDバックライトの採用が当たり前になってくると、映像の切り替わるタイミングで黒画面を挿入して映像を一度リセットする疑似インパルス表示を採用するモデルが増えてきた。「黒挿入技術」自体はCCFL(蛍光灯の一種)バックライトの時代から採用するモデルもあったが、CCFLは応答速度が遅いため十分な効果が得られなかった。LEDバックライトならばそうした問題もないため、ブラウン管やプラズマテレビに近いインパルス表示のメリットを液晶でも実現できるようになってきた。
今回取り上げたソニーのブラビア「KDL-40HX850」(実売価格16万円前後)も、インパルス表示を採用したモデルだ。もともとソニーは、液晶の応答速度向上を解決するために、動画補間による4倍速表示「モーションフロー」をいち早く採用してきたメーカーで、「KDL-40HX850」にもその最新版である「モーションフローXR960」を搭載している。これは、元の映像に対して補間映像を3枚増やして毎秒240コマの映像とし、さらにLEDバックライトのブリンキング(LEDの点滅制御)を加えて、映像のぼやけの原因である書き換え中の映像が目に付きにくくするもの。これにより、16倍速相当の応答速度を実現し、残像感を一層低減している。
新たに追加された「インパルスモード」は、動画補間を一切行なわないことが最大の違い。4倍速の液晶パネルは240Hzで順次映像を表示しつづける必要があるが、動画補間をせずに同じ映像を4回繰り返して表示する。しかも、同じ映像を表示しつづける間はLEDバックライトを完全に消灯。最終的に4回目に表示された映像のときだけLEDを点灯させる。映像が完全に書き換わった状態だけ目に映るようにしており、インパルス表示に近い挙動を実現している。これこそが本機を取り上げた最大の理由だ。
アイダホフォールズの鷹狩り
まずは、「KDL-40HX850」の概要から紹介しよう。ラインナップを見ると、昨年から継続発売されている「KDL-60HX920」が最上位となるが、HX850との主な違いはバックライト。HX850では、サイドエッジ型のLEDバックライトを採用した。直下型LEDバックライトに比べると、LEDをブロックごとに点灯制御してコントラスト感を向上するエリア駆動の分割数が少なくなるため、コントラストに差が出る。コントラスト性能も映画鑑賞では重要なポイントなので、この点は視聴時にじっくり確認したい。
その他はほとんど最上位機と同等で、高画質エンジンも独自のデータベース型複数枚超解像技術を採用した「X-Reality PRO」。複数のフレームを参照して映像処理を行なうため、動きのある映像でもより鮮明な再現が得られる。
デザインについても、コーニングの「ゴリラガラス」を前面ガラスパネルとし、ベゼル部分と液晶パネル部分が一体となったスマートなフォルムを採用。この前面ガラスパネルは液晶パネルとのすき間に特殊な樹脂が注入されており、ガラスパネルの内部反射を減らすことで黒の締まりを向上する仕組みも採用される。また、スタンド部分は薄いプレートにアーチ状のブリッジで支える新デザインとなり、見た目の印象もかなり変わった。
リモコンは、凹面鏡のように表側が内側にへこんだデザインで基本的には従来モデルと同じ形状。この形状はふだん使わないときは裏向きに置いておくことで、ボタン面に埃などがたまりにくいようにするもの。背面には電源ボタンとフェリカリーダーがある。操作ボタンも基本的に大きな変更はないが、ネットワーク機能の強化に伴い、「SEN(Sony Entertainment Network)」と表示されたボタンが追加されている。
画質面以外の「KDL-40HX850」の新機能が「SEN(Sony Entertainment Network)」に代表されるネットワーク機能。これまで、ソニーのネットワーク機能は、VODなどの各種サービスのほか、ウィジェット的な機能である「アプリキャスト」の2種類があったが、SENでそれらが統合され、より使いやすく改良された。リモコンの「SEN」ボタンを押すと、VODサービス、アプリキャストのメニューがアイコン表示され、使いたい機能を探しやすくなった。よく使うサービスや機能は「favorites」に登録しておくことで、より快適に使うこともできる。ネットワーク機能はVODサービスのほか、情報検索やコミュニケーションサービス、ショッピングと各社がさまざまなサービスに対応しており、ソニーもその機能はかなり数が多いが、多彩な機能をより快適に使えるようになっているのはありがたい。
■ 「KDL-40HX850」の各種の画質機能をチェックして、実力を確かめる
まずは例によって、画質調整に関する機能を一通り確認し、視聴のための調整を行なうことにする。今回は少々異例だが、まず「モーションフロー」の動作を確認した。「モーションフロー」には、動画の動きの再現の具合を好みで選べるように、5つのモードと「切」が選べる。
最初に「モーションフロー」を確認したのは、モードによって画面の明るさが変化するものがあるためだ。画質調整では部屋の明るさに合わせて画面の明るさを調整し、色合いや色の濃さをバランスさせるのが肝心なので、「モーションフロー」で明るさが変化してしまうと、調整はやり直しになるので注意したい。
「モーションフロー」のそれぞれの動作を簡単に説明すると、「スムーズ」は動画補間を十分に効かせ、滑らかな動きを重視する。そのぶん、若干補間エラーなどによる動きの不自然さを感じることもある。「標準」は「スムーズ」に近いが動画補間の量を減らしているのか、動きの不自然さは少なめ。ただし、他のモードに比べて、どちらも全体に動画の解像感がややソフトになる印象。
「クリア」と「クリアプラス」は、動画補間に加えてLEDバックライトのブリンキングを併用して、より鮮明な動画表現を行なうモード。LEDバックライトを点滅させるため画面の明るさに影響が出る。「クリア」はほとんど明るさの低減を感じないが、「クリアプラス」はちょっと画面が暗くなったと認識できる。そのぶん、映像のぼやけ感はどんどん減っていき、動画のキレ味の良さが出てくる。
フォックスチェイスティントンフォールズの最終段階
新採用の「インパルス」は、画面の明るさの低下がかなりあるものの、動画応答性の鮮明度は抜群だ。動画応答性をチェックするテスト用画像などを見ていても、解像度チャートが動画時と静止画時でほとんど変化しない。厳密に見比べれば細かい文字がわずかに滲んでいるのがわかるが、プラズマテレビでも残光時間による応答速度の低下はあり、動画解像度に関しては僕が使っているプラズマと同程度と言っていいレベルだ。もちろん、動画補間を行なわないので、補間エラーによって文字が崩れたり、チラついたりするようなことは皆無だ。これならば、液晶テレビを選んでも映画鑑賞において不満はないと実感した。
反面、多少のデメリットもある。画面の明るさが落ちるのは画質調整でフォローできるが、取扱説明書にもある通り、LEDバックライトの消灯時間が長いため、映像によってはフリッカー(映像のチラつき)が生じる可能性がある。テストチャートのようなグラフィック画面にある大面積の白など明るい部分で特に目立ちやすかった。PC画面の表示などグラフィクス系の表示には向かないだろう。
実写映像でも確認してみたが、一般的な映像でフリッカーが生じることはほとんどなかった。青というより白に近い空を映した映像でややチラつきを感じたが、そういった場面が長く続くことはほとんどない。比較的大面積を平坦な色で塗り分けすることが多いアニメを見ていてもチラつきが目障りに感じることはなかったので、実用上は問題なさそうだ。そのため、映画鑑賞を目的とした今回の視聴では、「インパルス」を選ぶことにした。日常的に使う場合でも、個人的には「インパルス」を常用にしていいと思うが、フリッカーが気になる場合は画質モードのカスタムを「インパルス」使用を前提とした調整値としてメモリーしておき、標準モードは「インパルス」以外の好みのものを選んで調整を行なうなど、ソースによって� ��い分けるといいだろう。
「モーションフロー」の選択が終われば、あとはいつもの方法で画質調整を行なうだけだ。今回もう1点特筆したいのは、前面のガラスフィルターの低反射コートの性能の良さ。液晶テレビのクリアパネルは明るい部屋での映り込みが多めだが、本機の場合は自宅のプラズマテレビと比べても映り込みはわずかに多いと感じる程度で、その他のクリアパネル液晶に比べると圧倒的に映り込みは少ない。
視聴では、読者の方が視聴条件を合わせやすく、調整値を参考にしやすいという理由で暗室に近い環境としているが、照明を点けた明るい環境でも暗部の映り込みで興ざめすることなく、快適に映画鑑賞ができるだろう。
また、本機は画質調整用のモードはダイナミック/標準/カスタムの3つしかないが、このほかに、コンテンツに合わせて切り替えができる「シーンセレクト」があり、こちらにシネマ/スポーツ/ミュージック/アニメ/フォト/ゲーム/グラフィックスが用意されている。オートにしておけば、テレビ放送のコンテンツフラグに連動して自動で切り替えもできる。プリセット値のままで使ってもいいし、必要ならば好みに合わせて画質調整を行なうこともできる。
今回は、画質調整のカスタムモードを使って調整を行なったが、面白いことに調整結果は明るさや色の濃さといった違いを除けば、「シネマ」にごく近い内容になった。ソニーの「シネマ」モードもモニター的なセッティングに近い忠実度の高い再現を狙ったものだと言えるだろう。
詳細設定まで加えると、画質調整はかなり多めだ。このなかで、いくつか補足しておく。調整結果その4にある「シネマドライブ」は、「モーションフロー:インパルス」ではあまり差がなかったが、どうやら動画補間の処理に影響があるようで、「オート2」を選ぶと「インパルス」以外のモードではわずかだがモーションジャダーの残る映画的な動きが蘇るようになる。「オート1」は動きの不自然さを最小にしつつ、モーションジャダーは目立たせない動作になる。「切」にすると映画でもビデオ撮影のような滑らか動画になる。
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詳細設定の調整値その1のLEDコントロールは、シネマでは「標準」だったが、少し効果を弱めて「弱」とした。絶対的なコントラスト感は劣るが、黒の締まりを優先した。これに合わせてガンマ補正を「-1」として暗部の沈みすぎを抑えている。結果として絶対的な黒の締まりはプラズマに比べて少々劣るものの、視聴が始まってしまえば黒浮きはほとんど気付かなかった。もちろん、暗部の階調もしっかりと再現でき、液晶らしいノイズ感の少ない暗部再現が楽しめた。
個人的には、直下型LEDバックライトを採用した最上位の「HX920」が販売継続なのは多少もの足りないとも感じていたが、「KDL-40HX850」もその実力は十分に高いとわかって安心した。絶対的なコントラスト性能をあまり気にしなければ、十分にハイエンド級の実力を備えている。
■ アクションのキレ味は抜群。ハイスピードな動きを克明に再現
さっそく「ミッション・インポッシブル ゴースト・プロトコル」を再生しよう。本作のアクションは、従来のシリーズ以上に感触がわかるほどの生の迫力に満ちていて、ぐいぐいとのめり込まされる。トム・クルーズの年齢を感じさせない筋肉は羨ましい限りだし、身体を張ったアクションも真に迫っている。この間近で見ているようなアクションをいかに鮮明に再現できるかが、大きなポイントと言っていい。
「インパルスモード」のクリアかつ原画に忠実な動きの再現は大満足。精細度が高く、フィルムの粒子感も鮮明な硬めの映像を、ありのままに描き出した。フィルムの粒子感は特に前作の「M:I 3」ではやや粗っぽく感じたが、今作では粒子自体がきめ細かくなり、粒子感は残るものの粗さやノイジーな印象はうまく抑えられていた。このあたりは、撮影技術やポストプロダクション処理、エンコード技術の進歩なども影響しているのだろう。
前半にあるロシアのクレムリン宮殿への潜入ミッションは、派手なアクションこそ少ないが、フェイスマスクによる変装や、プロジェクターなのかフレキシブルディスプレイなのかがとても気になる特殊スクリーンを使い、目の前で見張りに立つ衛兵に対して「だるまさんがころんだ」的な前進を行なう場面など、ハイテク小道具が大活躍する。緊迫度は高いもののユーモラスな演出が多く、精細感の高いリアルな映像で描かれるイーサン・ハントたちのシリアスな表情とのギャップが笑いを誘う。
身体を張ったアクションも含め、従来のシリーズ以上に今回はイーサン・ハントたちの人間臭さが前面に出ていると感じる。今作最大の見所である、ドバイにある超高層ビル「ブルジュ・ハリファ」の130階に窓から侵入する場面などは、明らかにビビッているイーサン・ハントの表情に親しみを覚える。超人的でクールなこれまでのイメージも決して悪くないが、映像がリアルになったぶん、スクリーンの奥に広がる世界が身近になった最新の映画では、こうした登場人物をより人間臭く描く手法も有効だと感じる。
本作の基本的な筋書きは、巨大な陰謀に巻き込まれたイーサン・ハント達が、起死回生を狙って次々と不可能なミッションを遂行していくというもの。今回は発売前ということもあり、いつも以上にストーリーの紹介は省略しているが、ある意味定番のパターンなので説明不要と言えるだろう。今回はIMF自体も解散の危機に追い込まれ、イーサン達はバックアップなしの状況にあり、ますます不可能度が高まっている。
そのイーサン達は、ターゲットを追ってドバイに向かうが、IMAXカメラで撮影されたドバイの砂漠やハイテク高層ビルが林立する都市の映像に息を呑む。砂漠の砂丘はきめ細かい砂の感触まで想像できる緻密さだし、複雑に変化する茶〜黄色の色調も豊かだ。忠実度の高い色再現も重要だが、コントラスト感が不足すると、色乗りの豊かさもスポイルされがちで、特に黄色のような中間色はうすっぺらく感じる。その点でも、優れたコントラスト感が再現できていることがよくわかる。現在、世界一高い超高層ビル「ブルジュ・ハリファ」の美しい造形もさまざまな角度から撮影されており、世界最高の建築物というだけでなく、風を上方に逃がすための機能を持つ螺旋状の構造になっているビルの造形美も堪能できる。
いよいよ、イーサン・ハントがびびりまくりの130階でのビル登りだ。鮮明な映像ははるか下方の地面の様子がはっきりわかるほどで、見通しが良いとか言う以前に怖い。窓にぴったりと貼り付く特殊なグローブを使ってビルを登っていくのだが、当然のように次から次へと危機が訪れる。ビルを登るだけでも危なっかしいのに、実際ちょっとしたミスで見事に落下する。この場面は映画館では飛び上がるほどびっくりしたが、今回の再見でもわかっていてなお背筋がヒヤリとする。ただでさえハラハラしているのに、予期せぬタイミングで訪れるので、初見の人は思う存分びっくりして欲しい。そして、もちろん、お約束とも言っていい、高所からのダイビングも用意されているのでお楽しみに。
ドバイでのミッションの後も、舞台は次々と移り、クライマックスとなるインドのムンバイでは、ドバイ以上のスリルが待っている。さまざまな危機が次から次へと訪れるノンストップ・アクションは、本シリーズだけのものではないが、本作は緩急の付け方がとてもうまく、リズミカルといっていいほどテンポよく物語が進んでいく。2時間を超える時間はやや長めだが、その長さをまるで感じない。ジェット・コースターに乗っているかのように、あっという間の時間だった。
このほか、音質面でも空間の広さをよく意識した音響設計になっており、クレムリン宮殿の天井の高いホールの響き、廊下の狭苦しさ、ドバイの砂漠の広大さなどが体感できるような再現になっている。言うまでもないが、今回も音響については自前のサラウンドシステムで聴いている。内蔵スピーカーでは、BDソフトの豊かな音の表現を楽しむには力不足だ。
■ テレビは動画を映す物。動画応答性の良さは映像の魅力をダイレクトに伝えてくれる
液晶テレビの進歩は新製品が出るたびに驚かされているし、「次にテレビを買うなら液晶になるのかな」という思いがよぎることが増えている。それでも現有のプラズマを買い換えるところまで行かなかった理由が今回分かった気がした。やはり動画応答性なのだ。テレビは動いている映像を映すものだから、動きにキレがないのでは魅力は半減してしまう。
動画の再現性が抜群だから、生身の格闘の迫力も生々しい。いわゆる近接格闘術はゲームなどの影響もあって、どんどんリアルなものになっているが、訓練を受けたエージェント達の格闘は乱暴な殴り合いどころか鍛え上げられた格闘家の演舞のようだし、眼前に向けられた拳銃を奪い、素早く弾倉と薬室に装填された弾丸を抜く手順などは、教則ビデオかと思うくらい正確に演じている。ふだんはまったく気にならないわずかな映像のぼやけであっても、こういった部分の再現となるとやはり差が出る。ほとんどの人が気付かずに見過ごしてしまうだろうし、近接格闘アクションが好きな人は不満を覚えるだろう。こうしたリアルな動きを正確に再現できることはアクション映画を楽しむには欠かせないポイントだ。
今回の「KDL-40HX850」は、目立つ部分での画質的な進化で言えばまさに「インパルスモード」の採用くらいと言えるのだが、それに合わせた全体的なチューニングも含めて偉大な進化と言っていい。アクション映画が好きな人はもちろんのこと、スポーツやロック・コンサートなど、動きの激しい映像を堪能したい人ならば、「インパルスモード」は大きな魅力になるだろう。
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